本番 命をかけたコンサート⑪



楽屋で苦しそうに倒れこんでいる友達

ソリストみんなが動揺して、自分の準備が手につかない

だけど、「早く用意しな!」とゆう先輩の一言に目を覚まして

先に自分の用意に取り掛かる

横で辛そうにしている友達を気にかけながら・・・・・

私と役Aは、先に行ってマイクをしなければいけないのに、

Aチャンはそんな場合じゃないのだ。どうしよう・・・・・・

「私先に行ってAの分までテープにドウラン塗ってきます!!」

私がこう言って、楽屋から飛び出そうとした、その時、、

「大丈夫・・私行けるよぉ・・・今行くよぉ・・」

Aちゃんが苦しそうにそう言ったのだ

「何言ってんの行けるわけないじゃん!私行ってくるからね!」

「・・うん・・・ごめん・・ありがとぉ・・・・」

そう言って、私は1番に用意をし終えて楽屋を飛び出した

音響さんにマイクをつけてもらいつつ、自分の分とAの分とマイクにドウランを塗った

そこに、復活したAちゃんが走ってきた

「遅れてごめんなさい!!!!」「みさきありがとぉ!!」

Aちゃんがマイクをつけてもらっている間に、他のソリストもきた

私は、舞台に出ている小道具の位置確認をしにいった

先輩OBの人が、「みさきちゃんノウズの確認!あぁ~・・チョット薄いね」

と、走ってきて、私のノウズを濃く塗りなおしにきた

コーラス隊はすでにひな壇についている

他のソリストもマイクが終わって、自分の小道具の確認に行った

まだ少しえらそうなAちゃんは、涼しい廊下で先輩達と休んでいた

昼の部の時にずれたAとのセリフのタイミングのコトを確認しにいって、

A抜きのソリスト私達は、ひな壇裏で準備していた

そこに、「心配かけてごめんなさい!」とAちゃんが来た

「大丈夫?」「無理したらアカンよ!」「もぉええのぉ~・・??」

そんな言葉を、心配そうにAちゃんにかける私達

そこに先生がきて、こう言った

「えらいかもしれやんけど、こいつ(A)のことは気にすんな!
 大丈夫かなとか心配すんな!気ぃつかうな!!」

こんな厳しい言葉を、私達に残して去っていった

分かっている。先生がどんな気持ちで言ったか。

すべては、1年間の練習の成果を、無駄にしないため、コンサートの成功のためだ

そして、私達の演技に支障がないように・・・・・

そろそろ緞帳があがる。ベルがなって、まわりが静まり返る

くず屋さん役の先輩が、最後の掛け声をかけた

「このメンバーでの演技はもう最後だよ。頑張って・・絶対成功させよう・・!」


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